よくわかる矯正のお話し

所沢市小手指の歯科矯正治療なら関歯科

 

歯科矯正(歯列矯正)についてどのような方法・種類があるかをご存じですか?
歯科矯正治療と言っても現在はいろいろな方法が存在します。
当医院で治療可能な歯科矯正治療を主体にできる限りご説明したいと思います。

所沢市小手指の歯科矯正治療なら関歯科・矯正歯科医院

所沢市小手指の歯科矯正治療なら関歯科

こんにちは。
医療法人社団 明誠会 関歯科/矯正歯科医院 の理事長、関 孝史です。

関歯科・矯正歯科医院 所沢市小手指町

西武池袋線 小手指(こてさし)駅 北口徒歩5分
西友(SEIYU)近くで開業して34年以上経過いたしました。

一般歯科治療、歯列矯正、小児歯科、歯科インプラントを標榜して歯科医院を開業しています。
この治療のご案内のページでは歯列矯正のお話をしたいと思います。
歯並びについて、いろいろなお悩み、治療についての心配事等を少しでも解決できればと思いこのランディングページを作成いたしました。

少々長いページですが、物販の商用ページではありませんのでご安心ください。

 

歯並びにはいろいろなタイプがあります。
歯だけの問題なのか? 骨格の問題も含んでいるのか?
それによって矯正治療のアプローチが違います。
また、成長期の年齢なのか? 骨格的成長が終了した成人なのか? によっても矯正治療のアプローチは違います。

不正歯列の原因・特徴は口の中を見ただけではわかりません。
レントゲンや模型(咬合器につけて顎運動を再現)などで分析・診断して問題点を把握して治療方針を決定します。

矯正用レントゲン
≪矯正用レントゲン≫

さらに、骨格性の不正咬合の場合は遺伝的な問題も内包している場合や、指しゃぶり・爪噛みなどの悪習癖が問題となることもあります。

上顎と下顎の大きさに顕著な差がある骨格的な問題が顕著な場合は外科矯正の対象となる場合もあります。

このように不正歯列と言っても、様々な要因が含まれているため、きちんとした診断のもとに治療計画を立案しなければなりません

次に色々な嚙み合わせご覧いただきます。
石膏模型でのビフォー・アフターの当医院症例です。

≪叢生(そうせい)≫
歯が凸凹している状態の歯列を叢生(そうせい)と言います。

≪上顎前突(じょうがくぜんとつ)≫
上の歯が前方に突出している状態の歯列を上顎前突(じょうがくぜんとつ)と言います。

≪開口(かいこう)≫
上下の歯が嚙み合わずに開いている状態の歯列を開口(かいこう)と言います。

≪下顎前突(かがくぜんとつ)≫
下の歯が前方に突出している状態の歯列を下顎前突(かがくぜんとつ)と言います。

このように不正咬合と言っても様々な形態があり、それぞれが複数存在しあう混在型の歯列不正が多いです。

「八重歯が治らないかなぁ…」
「前歯が出ていて何とかならないかなぁ…」
「歯のすきまが何とかならないかなぁ…」
こんなお悩みはありませんか?

矯正治療 矯正治療

「矯正治療ってどこでも同じなのかな?」
「磨くのが大変そう…」
「目立つのはやだなぁ…」
「いつごろから始めればいいのかな?」
「受験前に矯正治療が終わるかな?」
こんな質問はありませんか?

「矯正治療って痛いのかな?」
「矯正治療って時間がかかるのかな?」
「矯正治療って費用はどのくらいかな?」
「私の年齢で矯正治療は可能かな?」
こんな心配はありませんか?

これらの悩み・質問・心配 についてできるだけわかりやすく説明したいと思います。

さて、少々具体的なお話をさせて頂きます。
次の点についてお話いたします

1. 歯科矯正治療の目的と乳歯のかみ合わせ

2. 歯科矯正治療の進め方

3. 歯科矯正治療の方法

4. インビザライン矯正治療について

5. ワイヤー矯正治療について

1. 歯科矯正治療の目的

歯並びを整えて、綺麗な口元を作ることによって、より健康的な生活を送れるようにすることが矯正治療の目的です。

「笑顔に自信が持てるようになりました。」
「笑う機会が増えました」
「きれいになったねと言われます」

これは矯正治療が終わった患者さんのほとんどすべての方の感想です。

歯並びがいいと自然に笑顔がこぼれて明るいイメージになります。
綺麗な口元は健康的で明るいイメージを作ります。

また、矯正治療の効果はメンタル面の改善だけではありません。
歯並びがいいと虫歯ができにくくなります
更に、歯肉炎や歯周病にもかかりにくくなります
綺麗な歯並びは清掃性を良くして歯肉炎・歯周炎を予防して健康な口腔内を作ります。

歯並びがいいと磨き残しが減り、虫歯や歯周病のリスクが低下するのです。
歯並びの改善は虫歯予防、歯周病予防の効果が絶大です。

将来にわたって自分の歯を残すためにもきれいな歯並びはとても重要なのです。
歯並びを治して口腔内環境を改善することは、将来にわたって健康で明るい食生活を維持することにつながります。

歯科矯正治療は外見的・内面的健康を改善します。
将来にわたって美しい笑顔と、生き生きとした食生活を提供します。
ぜひ矯正治療にご興味を持っていただきたいと思っています。

そしてぜひ、矯正治療をお勧めしたいと思います。

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ここで少し乳歯の噛み合わせについても少しお話しします。

乳歯時期は矯正治療を急ぐ必要はありませんが、将来不正咬合が予知できる場合は、不正咬合がより悪化しないように予防的に矯正をしたり(予防矯正)、また、将来の本格矯正をしやすくするために今できることをしておくこともあります(準備矯正)。
または、指しゃぶりなどの癖(くせ)徐々に治していくのも矯正治療で行います。

当医院では毎年保育園の歯科検診にお邪魔させて頂いております。
保育園の歯科検診では、虫歯の他に咬み合わせもチェックしています。
保育時期の歯列不正は慌てることはありませんが、放っておくと不正の具合が大きくなる場合もありますので、かかりつけの歯医者さんで定期検診をお勧めしています。

保育時期の噛み合わせは以下のようなことをチェックします。

上唇小帯上位付着(じょうしんしょうたいじょういふちゃく)

上唇小帯とは上の唇裏側の中央部にある「すじ」のことで、上唇を指でつまんで持ち上げるとわかります。この上唇小帯と呼ばれる「すじ」は歯のつけ根付近にあると歯ブラシのときによく磨けずに、虫歯になりやすいため注意してください。上唇小帯は、年齢が大きくなると徐々に歯のつけ根付近から離れていく場合も多いので現時点で心配する必要はございません。しかし上の前歯が永久歯に生え替わっても歯と歯の間に小帯が付着していると「上唇小帯付着異常」と診断されます。その場合は歯並びや発音に悪影響が出たりしますので歯医者さんにご相談ください。

 

過蓋咬合(かがいこうごう)

過蓋咬合とは「かみ合わせが深い」状態のことです。噛み合わせると下の前歯が見えなくなってしまいます。下の歯で上の歯肉を噛んでしまったり、下のあごの動きが悪くなってしまったりしてしまいますので注意が必要です。現時点で治療がすぐ必要という事ではありません。永久歯の萌出とともにかみ合わせが浅くなる場合もありますので、心配はございません。しかし、永久歯列になってもかみ合わせが深い場合は矯正医にご相談ください。

 

反対咬合(はんたいこうごう)

反対咬合とは「かみ合わせが上下逆」の状態のことです。軽度の場合は永久歯に変わるときに治る場合もありますのですぐに治療が必要というわけではありません反対咬合にも骨格性反対咬合と機能性反対咬合の2種類がありますこの判断で治療時期、方法が異なりますので詳しくは矯正医にご相談ください

 

癒合歯(ゆごうし)

癒合歯とは「2本の歯がくっついてしまっている」状態のことです。乳歯の前歯にはよく見られます。癒合歯の下から生えてくる永久歯は1本のことが多いため、乳歯で癒合歯があると永久歯が1本少なくなる場合があります。かみ合わせがずれる可能性がありますので永久歯の交換時期になったら歯医者さんで歯の本数を確認されるとよいでしょう。

 

捻転歯(ねんてんし)

捻転歯とは「歯がねじれている」状態のことです。ねじれて生えてくることにより咬み合わせがずれたり、歯が削れてしまったりする原因になります。特に前歯のねじれは歯冠破折の原因になったりもします。永久歯が完全に萌出していない今の時期ではすぐに治療する必要はありませんが、矯正医にご相談ください

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2. 歯科矯正治療の進め方

先ず大雑把な矯正治療の流れについてご説明致します。

① 矯正についての主訴の確認と簡単な説明

矯正治療を行うにあたって大切なのは、先ず患者さんの「どこが気になるか?」・「どこを治したいか?」という事です。
このことを『主訴(しゅそ)』といいます。


主訴:『前歯のねじれが気になる』

 

この『主訴(しゅそ)』を明確にすることは、矯正医と患者さんの治療のゴールを共有するためとても大事なことです。
矯正治療と言っても治療のゴールは様々です。患者さんのゴールと矯正医のゴールがずれているという事は、治療にマイナス要因として働きます。

矯正治療は患者さんと一緒に治療していくというスタンスが大切なのです。
したがって、矯正相談の時には先ず『主訴(しゅそ)』が何かをお聞きします。


主訴が改善されました!

 

最初の相談の時には患者さんの口腔内状態、虫歯や歯周病の有無、親知らずなどの状態(これはレントゲンを撮らないとわかりません)、現状の歯並び状態などをチェックして、『主訴(しゅそ)』を聞いたうえで、矯正治療の流れについてお話させて頂きます。

最初のご相談の段階で矯正治療をやるかやらないかを決めて頂く必要はありません。
矯正治療の大雑把な流れと、だいたいの矯正期間、いろいろな矯正方法、治療費についてご説明させていただいております。

 

② 矯正検査(資料採り)

簡単な矯正治療のながれがわかったら、次の段階は検査です。
矯正治療の検査とは「診断」に必要な資料を集めることです。
矯正治療の診断に必要なレントゲンや歯牙模型などを揃えて分析・診断をし、治療計画を立案します。
従って、治療方針が決まるのは資料をそろえて、分析・診断が確定してからになります。

具体的には次の資料を採得します。

・ 現状の歯型を採って石膏(せっこう)模型を作成する
歯科用レントゲン(パノラマレントゲン)を撮影する
矯正用レントゲン(セファロ)を撮影する
口腔内の写真を撮影する(上・下・正面・左・右)
ポートレート写真を撮影する(上・下・正面・左・右)

私どもではこの一連の資料採得を「資料採り」と呼んでいます。
歯型を採った後石膏を流して石膏模型を作製しますが、矯正用の診断模型は一般歯科での石膏模型と違い規格化されたサイズに仕上げます。
これは詳細な模型診断と治療後の比較検討をするためです。

● 矯正用石膏模型


矯正用の規格石膏模型(左:術前/右:術後)

この矯正用模型でわかる事は、歯並びだけではなく、歯の大きさ、歯の傾斜、口蓋の形・深さ・幅径、歯槽の状態 などです。模型で単に歯並びだけをチェックしているわけではないのです
また、必ず術前・術後の模型を採得して比較検討します。
場合によっては咬合器(口腔内の顎運動を再現する器械)に付けて顎運動をチェックします。

 

矯正用の規格化された模型(きれいにトリミングした模型)上で歯冠幅径や歯槽の状態を計測します。
T字型をした模型計測機を大坪式ノギスと言います。
通常のノギスの他、このような計測器も使います。
このような計測器を使うことにより、不正歯列の要因を探り、治療計画を立案します。

● 歯科用レントゲン(パノラマレントゲン)

この写真は一般歯科ではおなじみのレントゲン写真です。
通称「パノラマ」とか「オルソ」とかと呼んでいます。
この写真では歯の数や埋伏歯・過剰歯などの有無、親知らずの状態、顎骨の状態、上顎洞の状態、歯根の長さ・形態 などをチェックします。

「親知らず」とは第三大臼歯のことで、上下左右合計4本あります。
上のパノラマ写真では下の左右に横になった「親知らず」を認めます。

もともと「親知らず」がない人もいます。
矯正治療を行うに当たっては「親知らず」は抜歯しておいた方が安心です。
矯正治療後に「親知らず」が萌出してくると歯並びを乱すことがあるからです。
「親知らず」の抜歯や時期に関しては矯正担当医とご相談ください。

● 矯正用レントゲン(セファロ)

矯正用のレントゲン写真は横または正面から撮影するレントゲンになります。
骨格のランドマークをトレースして不正咬合の特徴・問題点を探します。
下の写真のようにレントゲンをトレースして骨格や軟組織の特徴を調べます。

トレースポイントは上図のように結構たくさんあります。
それぞれの数値の平均値と比較して大きく差がある点を見つけ、平均値に近づけるための治療計画を立てます。
しかし、平均値の範囲内にすべての数値が入るように計画を立てるわけではありません。
骨格には個性があります。その個性の範囲内で正常咬合を目指します。
これを「個性正常咬合」と呼んでいます。

矯正の治療計画を立てるにはこの矯正用の規格写真(セファロ)が絶対必要です。
セファロ上のいろいろな長さ・角度を計測し、平均値と比べることによって問題点を調べて、改善策を考えます。
この計測方法(診断方法)にはいろいろな方法があります。

上の図は、矯正医ではおなじみのダウンズ分析という分析です。
トレースしたポイントを計測して、チャートに落とし込みます。
数値が黒枠の中に入っていればほぼ平均値内という事になります。
このほかにも色々な分析方法があります。

● 口腔内の写真口腔内の写真

術前の口腔内の写真は矯正治療の変化を確認するために必要です。治療計画通りに動いているかどうかのチェックを客観的に確認することは矯正治療においては必須となります。
口腔内の状態を正面観・右側面観・左側面観・上・下・前歯被蓋関係 のそれぞれの初めの状態を写真にて記録しておきます。

その後、治療の都度状態の変化を写真にて記録し、計画通りに治療が進んでいるかをチェックします。
予定通りに進んでない場合は、治療のアプローチ方法を変更したりします。
そのフィードバックの為にも変化の記録は重要です。

 

● ポートレート写真

証明書の写真のような初診時の状態も記録しておきます。
当医院では 正面・斜め右・右側面・斜め左・左側面・正面スマイル の6ショットを術前に撮影します。特に横顔は矯正治療によって口元のラインが大きく変わるため、治療前・治療後の確認は重要です。


初診時

インビザラインでの治療計画でもこのポートレート写真は必須です。
特にスマイル写真では前歯のラインの見え方などを基準に治療計画を作成します。

 

③ 診断と治療計画の説明

上記のような資料を基に、不正咬合の要因を分析診断して治療計画を作成します。

どのような治療方法で治療するか?
どのような装置を使用するのか?
ワイヤーかインビザか?
抜歯は必要か?
いつスタートするか?
治療期間は?

治療計画が決まったら再度ご説明のお時間をとらせて頂きます。
ご納得いただきましたら治療スタートになります。

分析と診断

 

歯列不正のキャラクターによって治療期間、治療広報、使用装置が変わります。
また、年齢によっても使用装置が変わります
さらに、乳歯列時期か混合歯列時期か、永久歯列完成時期かによってもアプローチ方法が異なります。

歯列の拡大が必要であればどのような装置で拡大するのか?
可撤性(取り外し型)の装置を使うのか?
ワイヤー拡大で行くのか?
などを決めて計画を立てます。

 

上の写真は拡大床と呼ばれるもので混合歯列期(乳歯と永久歯が混在している時期)などに使用します。入れ歯のような装置の中央に拡大ネジが組み込まれていて、ネジを巻いていくことによって広がるようにできています。
(場合によっては乳歯列時期にも使用します。)
混合歯列期であれば上記のような装置を作製して顎骨の拡大をして(準備矯正)、その後永久歯列の本格矯正に移行します。

全部永久歯に生え変わっている場合はワイヤーやマウスピースタイプのインビザラインなどで拡大しながら歯を整えます。(乳歯時期でもインビザラインは可能です)

 

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3.歯科矯正治療の方法

歯科の矯正治療にもいろいろな方法があります。
大雑把に分けて2種類、ワイヤー矯正マウスピース矯正です。

ワイヤー矯正はワイヤー(はりがね)を使って治療します。
マウスピース矯正はマウスピースを使って治療します。

矯正で使用するマウスピースのことをアライナーと言います。

ワイヤー矯正の代表格=表にブラケットをつける矯正方法

 

 

マウスピース矯正の代表格=インビザライン

 

他にも筋機能矯正療法など、筋肉(舌や頬粘膜など)の歯にかかる不要な力を排除して適正位置に並べたり、悪習癖(指しゃぶり)や口呼吸の原因になるアデノイドを除去することによって歯並びを適正位置に戻したりする方法もありますが、ほとんどの場合その後の本格的矯正治療が必要になります
早期の矯正治療は歯列不正の重症化を防ぐためのものです。
予防矯正、準備矯正などといった矯正治療になりますので、早く手を付ければ永久歯の矯正治療をしなくて済むという訳ではありません。

 

上記の装置は「EFライン」という乳歯列完成時期から使える機能的矯正装置です。
場合によってはこのような装置を使うことにより不正歯列の形成を予防できます。

また、外科を併用する外科矯正という選択肢もあります。
先天的な顎の異常(唇裂口蓋裂や上下顎の大きさの異常など)や、症候群で発症する顎顔面の先天異常(小顎症など)、事故などによる顎のずれ(顎骨折など)がその対象です。
通常、最終的には本格矯正で微調整を加えなければなりません。
外科矯正の場合はそのほとんどが大学病院などでの処置となります。

したがって普通に歯科矯正というと、針金を使うワイヤー矯正か、マウスピースを使って徐々に動かすマウスピース(アライナー)矯正かのどちらかになると思います。

いずれの方法で矯正治療を行うとしても,先ずは 診断 をしなければ始まりません。
患者さんの歯並びを治すにあたって、

どのようなタイプの不正咬合なのか?
何が原因なのか?
どのように動かせば正しいかみ合わせになるのか?
治療方法に無理はないか?
歯をどのくらい出すのか? 引っ込めるのか?
可能なのか? 無理なのか?
など…

主訴と診断を基に治療計画を立案していきます。
矯正治療を行う前に、患者さんの不正歯列の状態・要因をきちんと把握して使用装置を含めて入念な治療計画を立てることが必要です。
矯正治療の方法は大雑把に以下のような図になります。

 

表からのワイヤー矯正

最も一般的な矯正治療です。歯の表面にワイヤーを留めるブラケットという小さな粒状の材料を接着して矯正治療を行います。ワイヤーの弾力性や、ゴム、スプリングなどを利用して歯を動かします。

このワイヤー矯正にも様々な種類があります。
使う最大ワイヤーサイズによって、ブラケットサイズも異なります。

一般的には太いワイヤーまで使うためのブラケットサイズと、中等度のワイヤーまでしか使わないブラケットサイズの2種類あります。
太いワイヤーまで使う矯正テクニックをストレートワイヤーテクニックと言います。
また、ブラケットのワイヤーを通す溝に微妙な角度やトルクが付いていたりするものもあります。(ストレートワイヤテクニックで多用します)
更にブラケットの素材も各社様々です。金属製やセラミック、ポリウレタンやレジンなど様々なブラケットの種類があります。

メインに使うワイヤーにも各社様々な素材の配合で違いがあります。
一般的には、柔らかく細いワイヤーから硬くて太いワイヤーまで、徐々にサイズアップして使います。
矯正医が使うブラケットやワイヤーはそれぞれ好みがあり、10人の矯正医がいたら10通りの材料の組み合わせがあると思います。

私は好んでエルジロイワイヤーを使います。屈曲するときに曲げやすく、熱を加えると固くなるワイヤーで、昔からよく使用しています。
矯正治療はドクターによっても十人十色(じゅうにんといろ)なのです。

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裏からのワイヤー矯正

これは歯につけるブラケットが表から見えないように、歯の裏側にブラケットをつけて行う矯正治療で、舌側矯正(ぜっそくきょうせい)といいます。
勿論ワイヤーも裏側に通します。
藤田メソッドと呼ばれる舌側矯正や、GCという会社のZERO SYSTEM(ゼロシステム)など、これまた多くの種類があります。

一般的に歯の裏側の形態は人によってかなりバラつきがあるため、それぞれの形態に合わせたカスタマイズブラケットを使用する方法や、汎用性の高いブラケットを使う方法など、様々ですが、一般的に歯の裏側からアプローチする矯正は表からの矯正と比べて治療費は高めになります。
上の歯は裏側から、舌の歯は表側からといったハーフリンガル矯正というのもあります。

私(関 孝史)は舌側矯正はやらないためあまり詳しくは語れませんので、もう一人の当院矯正医(関 雄介)にご相談ください。

ワイヤーを使わないマウスピースタイプのアライナーと呼ばれる装置を用いて矯正治療を行う治療方法もございます。この治療もいろいろな種類があります。以下に主なマウスピース治療の種類をご紹介いたします。

 

インビザライン(invisalign)

アメリカ発祥の、現在世界で100万人以上が利用しているマウスピース矯正です。
3Dデザイン、矯正データの分析、口腔内スキャンにより、予測性の高い治療手順を提供し、担当矯正医の矯正手順を組み入れクリンチェックというシステム上にて主治医(矯正医)と治療計画を作製していきます。クリンチェックの作製には矯正治療の知識と経験が必要になってきます。当医院でもインビザラインの患者さんは増えています。
後ほど詳しくご説明します。マウスピース矯正の老舗的存在です。

 

アソアライナーデジタル(Aso Aligner DIGITAL)

矯正専門の歯科技工所として1982年にアソインターナショナルとして日本の九州の地で開業し、2018年よりアソアライナーデジタルを販売しています。クオリティの高い矯正技工物を作製し、矯正診断ツールなども手がけている矯正専門の技工所です。
純国産のマウスピースを使った矯正治療を提供しています。

 

クリアコレクト(Clear Correct)

アメリカ・テキサス州の開業歯科医Dr.Willis Pumphrey によって2006年に開発されたシステム。2017年にインプラントで有名なストローマンというグローバル企業傘下にはいり、2019年より日本でクリアライナーの販売をしています。アライナーシートが熱可塑性素材を使用した3層構造にしたことが特徴です。

 

スマイルトゥルー(Smile TRU)

 

アメリカ・テキサス州の矯正歯科医 Dr.J.W.Truitt が2013年に立ち上げたシステム。
診断とデザイン(デジタルセットアップ)はアメリカで、マウスピースは国内の技工士(成田デンタル)によって作成販売されています。

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4. インビザライン矯正治療について

インビザラインの治療についてご説明します。

 

私個人的にはインビザライン以外は一般開業医向けの矯正アライナーという気がします。
インビザライン以外は治療できる症例をかなり絞り込まなければ難しいかもしれません。
(簡単な症例ならばインビザラインより安上がりです)

インビザラインは導入基準が矯正医を対象としており、マウスピース矯正の中では治療可能な症例は多いと感じています。
しかし、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正だけで、全ての不正咬合が治療できるという訳ではありません。
当然マウスピース治療で難しい症例もたくさんあるのです。

抜歯症例などでは短期間ワイヤーで出来るだけスペースを閉じてから、インビザラインに移行する場合も多くあります(矯正時間の短縮のため)。

インビザラインのアタッチメントの付与に関しては、その形態などに特許取得があり、マウスピース矯正の老舗としての強みがあります。

 

インビザラインは上記のような透明な素材でできたマウスピースを、最初に採得した(歯型を採った)印象で、最初から最後までのマウスピースを一気に全部作成します。
症例によっては片顎40シート~50シート、上下で80~100枚作成する場合もあります。

そのシートをだいたい2週間~3週間ごとに替えて装着します。
アタッチメントと呼ばれる小さな突起によって、動かしたい歯牙に回転・延出・傾斜などの動きを効率的に与えます。このアタッチメントの形状は様々で、動かす状態によって形が違います。

マウスピース作成手順は以下のようになります。

先ず、インビザライン専用のトレーでシリコン印象(精密印象)を行います。
普通の歯型より少々時間がかかります。
「アイテロ」というインビザ専用の光学印象の機械があると、口腔内をスキャンして歯型を採得できます。(ちょっと高価なため当医院ではまだ未導入です…😢)

上下のシリコン印象(精密印象)と噛み合わせを印記したシリコンバイトを専用の箱にパッケージします。

治療計画書(オーダーシート)と模型をインビザライン専用の箱に入れたら…

国際航空便でアメリカ(工場はメキシコ)に発送します。
あとはパソコン上でのやり取りになります。

 

どの時期のステージに、どこの歯をどのように動かすか指示します。
その動きをパソコン上で確認します。

こちらからの治療計画に基づいて作成されたマウスピースが、最初から最後まで一気に届きます。

黒い袋の中身はアライナーを入れるケースになります。
アライナーケースにしては豪華なパッケージです。
このアライナーが届いたら、患者さんに3~4シートずつお渡しして適合状態と歯牙の移動状態を確認しながら次のシートをお渡しするようになります。
途中、適合が悪くなった場合は再度歯型を採りアライナーを作製しなおします(無料)。

 

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5. ワイヤー矯正治療について

歯列矯正の方法にマウスピースを使った矯正とワイヤーを使った矯正があることをお話いたしましたが、ここではワイヤー矯正のご説明を詳しくお話いたします。
色々な素材や太さの矯正ワイヤーを使って歯牙の移動をおこないます。
ワイヤー断面の形が丸いワイヤーをラウンドワイヤー、断面が四角いワイヤーをレクタンギュラーワイヤーと呼んだりします。

 色々なワイヤーで歯を移動します。

矯正治療に入る事前の準備はマウスピース治療でもワイヤー治療でも同じです。

ワイヤー矯正でも一番大切なことは診断です。
診断によって治療の方針を決定・立案するからです。
矯正治療における診断とは病名を付けることではありません。
頭蓋骨の様々な基準点や基準線・基準角を平均値と比べてどこに問題があるのかをチェックすることが矯正治療の大切な診断となります。

例えば、上顎前突(出っ歯)という病名でも、歯だけの問題なのか、骨格的な問題を含むのかを判断しなくてはなりません。
同じ上顎前突(出っ歯)でも上顎が出ているのか、下顎が引っ込んでいるのかで治療の方針が180度違います。
上顎が出ているという診断ならば上の歯を引っこめなければなりませんが、下顎が引っ込んでいるという診断であれば下顎を前方に出さなければ(前方適応させなければ)なりません。上顎が出ていて、下顎は引っこんでいるという場合も考えられます。
同じ上顎前突という診断病名でも下顎後退位型の見かけ上の前突なのかどうかを骨格の状態を観て見極めなければならないのです。

そのためにはセファロ分析・診断が重要となります。

セファロとは矯正診断を行う上で必要不可欠な頭蓋骨を真横から撮影したレントゲン写真のことです。
次のような写真のことをセファロと言います。
このレントゲン写真をトレーシングペーパーでトレースして必要な計測を行います。

矯正治療には次のような色々な計測部位があります。
全部が必要なわけではありませんが、どこに問題があるのかを詳しく診断するには有用です。また、不正咬合のキャラクターを大雑把に把握するときに、折れ線グラフのようなチャートは役立ちます。

次の図は最もポピュラーなダウンズ分析と呼ばれる矯正分析の一つです。
基本中の基本の分析項目になります。
矯正医ならば誰でも知っている分析です。
矯正医でなくても、歯科大学で学生の時にも習います。

 ダウンズ分析に使う計測点

 ダウンズ分析のチャート

チャートの黒いラインの内側に数値が収まっているとほぼ標準値内という事になります。
学校の成績と同じ標準偏差値を利用したグラフになっています。
解釈は矯正医によりますが、どこに不正咬合の問題があるのかがわかります。

私が好きなキム分析です。
骨格のバランス重視の分析で抜歯が必要かどうか迷ったときにチェックします。

 キム分析に使う計測点

 キム分析のチャート

他にもたくさんの分析があります。
骨格系の分析や軟組織系の分析もあります。
矯正医がどこを最重視しているかでメインとなる分析を矯正診断に利用しています。

上の図のように簡単な計測点や計測ラインを、基準平面で平均値と重ね合わせることによって顔の特徴を診断します。平均値(青いライン)と比べて、どこが大きく乖離しているかを簡単で分かりやすくしたチャート指標です。

 

矯正ワイヤーのセット

矯正の分析診断が終わったら治療計画をたてて矯正治療がスタートします。
ブラケットと呼ばれる装置を歯の表面に接着剤で付けていきます。
ブラケットとはちょうど線路の枕木のようなもので、ワイヤーの復元力(矯正力)を歯牙に伝達するための装置です。
簡単に言うと、ワイヤーを歯に付けるための装置です。
ブラケットは矯正の動的治療が終わるまで外せません。
昔は金属製のブラケットしかありませんでしたが、今はあまり目立たないセラミック製ポリウレタン製プラスチック製等、種類も豊富です。

ワイヤーはブラケットに小さなゴムリング(結紮用エラスティック)や細いワイヤー(リガチャーワイヤー)と呼ばれるもので固定します。

矯正治療はこのワイヤーの復元力・反発力を利用して歯を動かしていきます。
また、ワイヤーにゴムを掛けたりして上下咬合関係を修正します。

場合によっては歯が植わっている歯槽骨(顎骨)も拡大したりします。
ワイヤーを装着すると1週間くらいは違和感が痛みとして感じられることがあります。
普通、1週間くらいでこの違和感(痛み)はとれてきますので安心して下さい。

歯を動かすといっても色々な方向に動かさなければいけません。どのようなアプローチで歯を動かしたい方向へコントロールするのかは矯正医によって様々です。

 傾斜移動(難易度★)

 平行移動(難易度★★)

 廷出(難易度★)

 圧下(難易度★★★)

 根の整直(難易度★★★)

 回転(難易度★★)

矯正医はどのような方法で歯の移動をコントロールしようかと考えます。
方法は一つではありません。
歯が動き出すと多少痛みを感じます。歯が浮いたような感覚で、噛み合わせると力が入らず痛痒さを感じるようになります。ただ、この感覚はだいたい1週間位でなくなります。
矯正期間中ずっと痛いわけではありませんので心配ありません。

ワイヤーサイズは、最初は細いものを使用します。
弱い力で持続的に矯正力を伝達するほうが歯は動きます。
歯の凸凹をとりあえずそろえることをレベリングと言います。
矯正治療はこのレベリングからスタートする場合が多いです。

矯正治療では、様々なサイズのワイヤーを曲げたりカットしたりするときに上図のようなプライヤー(ペンチのようなもの)を使用します。結構種類が豊富です。

屈曲されたワイヤーを歯牙に結紮して、ゴムで引いたり、スプリングで押したりして歯牙を効率よく動かしていきます。
もし、ブラケットが外れたり、ワイヤーがずれたりすると予定どおりに歯が動かないため、歯科医院にご連絡ください。

矯正期間中は歯磨きがとても重要です!!
ブラケット周囲は磨きずらいので時間をかけて丁寧に磨いてください。

最初からブラケットやワイヤーが付けられない場合は、取り外しができる咬合挙上床と呼ばれるものを併用しながら片顎から動かすこともよくあります。

このように分析・診断を基に、色々な方法で歯を動かしていきます。
治療期間は状態によって様々ですが、だいたい平均すると2~3年です。
矯正治療は少し時間がかかりますので、頑張ってモチベーションを持続しましょう。
最後はきっといい笑顔が待っています。

最後に当医院の矯正症例をご供覧ください

所沢市小手指町の歯科矯正治療なら関歯科へ 

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最後までご覧いただきありがとうございました

関歯科・矯正歯科医院 所沢市小手指町

 

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